今日、千秋楽です。
今朝も暑くて早起きしてしまったので、音楽聞きながらこれを書いています。
昨晩、本番中に面白い珍客がきました。
自分は上演中だいたい受付にいて、科白をききながら、騒音で迷惑をかけている近所の人たちに話しかけられた時の対応や、遅れてきたお客さんの案内をしています。
昨日、そこにフラリとやってきたのは、缶ビール片手に喋りかけてきたポーランド人のハルクさんという男性でした。
彼は37歳の駒形在住。お金がないので劇を見ることはできないが、浅草と江戸川乱歩が大好きで、ここが定番の散歩コースなのだそうです。
きけば、17歳の兵役時に93年のユーゴスラビア紛争に国連軍として戦地に赴き、その時にあった何がしかの事情で、ヨーロッパにいると刑務所に入らなければならない境遇だといいます。
以来、アメリカ、南米、日本とさすらい人で(彼自身が「さすらい人」という言葉をつかいました)、あと3年経ったら20年の刑が解かれるので故国に帰ることが出来るのだそうです。
日本語の上手い下手と酔いが重なってどこまで本当かは謎ですが、彼とは、アンジェイ・ワイダやタデウシュ・カントール、ブルーノ・シュルツやヴィトケヴィッチの話をしました。
ワイダを除いた三人は、ポーランド人でも理解する人が少ない。カントールの没後にできたミュージアムは外国人で満員だ、などと笑っていました。
他の酔客とは違い、ちょっと面白い人だったので、忘れないようにここに記します。
さあ、今日が最後の『蛇姫様』。