6月も半ば

15日日曜日、唐組の千秋楽に立ち会う。
朝顔のツルの左巻きにならって、時間を遡行する1時間半。
俳優も観客も、舞台下手に広がる坂の上から差し込む西陽に導かれて、幼児そして胎児の記憶の世界に巻き込まれていく。
短いとはいえ、唐十郎の幼児性を体現する役者たちの跳梁する舞台はたっぷり。あらためて、この作品が持つ完成された構造に唸った。

昨日月曜日は、横浜西口の小劇場で毎月行われている演劇人の寄り合いに初めて顔を出す。わいわいと自己紹介をしながら、いままで全く知らなかった横浜の演劇人口の多さに気付いて驚いたが、一方で不思議な人物に出くわした。
ポツリと坐ってビールを飲んでいるジイさんがいたので声をかけ、それなりに会話をするも、「それでお名前は?」という段になると「もう大変ですよ」などとはぐらかして一向に自己紹介してくれない。
結局彼の名を最後まで知ることはできなかったが、あの笠智衆のような佇まいはタダモノではなさそうだ。彼は毎月顔を出しては、誰とも話さず帰っていくという。
また来月も、僕は顔を出すことになりそうだ。
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# by nakanoatsushi | 2008-06-17 08:18

カンガルー

今日は横浜市内を走り回りました。
来年の『下谷万年町物語』に参加してくれるかもしれないツテを頼り、開かれた稽古場を作るため(これまでは横浜国大で密教的に技を磨いてきましたが)いくつかのスペースを物色して歩いたりもしました。
そうそう。僕は比較的音響にこだわる演出家だと自認していますが、音響システムに工夫を凝らすためにオーディオマニアに相談しにも行きました。

以前聞いた話では、カンガルーは走り始めの低速より、スピードに乗った高速状態の方が必要な酸素量が少ないらしい。
最近動き回っているが、やたらと調子良い。カンガルーに似たのだろうか。
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# by nakanoatsushi | 2008-06-15 00:54

仲間が欲しい

タイトルだけみると、かなり孤独な寂しがり屋さんのようですが、そうではありません。

先月より桜木町の野毛にあるバーの休業日を借りて、劇団員以外の人たちに来てもらってミーティングをしています。“面接”でなく“ミーティング”。まあ、バーで酒呑みながらですから面接もないだろうということで、“ミーティング=会うこと”です。
これまで唐ゼミ☆は、横浜市保土ヶ谷区の山の上に居を構えていました。その山の上で唐さんや現在の仲間たちに出会い、調子のいいときなど~よく三国志やなんかで英雄が馬にまたがって、山頂でこれから覇を唱えようとする麓の都を眺めますね~あんな気持ちで吼えていたものです。やはり何かを練るといえば山の上。しかしながら山が、同時に他人を寄せ付けないこともまた事実です。

そこで今回、まるでアンテナショップのように野毛のバーを展開しました。もちろんこれは、さる方たちにいただいたご好意があっての話ですが。(詳しくはホームページにリンクしてある“はる美”をご覧あれ。)

それで1月ほどやってみて...。
これはいい。実にいい。少しずつ、色んな人たちが会いに来てくれます。しかしまだまだ始まったばかり。唐ゼミは協力者が必要です。未来に作る劇のため、唐ゼミは仲間を求めます。是非一度お越しください。
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# by nakanoatsushi | 2008-06-13 09:12

チラシと舞台美術

昨日はチラシと舞台美術について話し合いました。
両方とも、これまで堆積させてきたアイディアを練りこんでサンプルを作っています。まだ決定的な何かが足りない気がすると同時に、そろそろポロッとそれを思いつきそうな予感です。

そんな中、夜に東京駅のホームで回送電車を見ました。
熱海から帰ってきた「こだま」には誰も乗っておらず、しかも室内灯は煌々と点いている。あれがスーッとホームに滑り込んでくる姿!
そういえば『お化け煙突物語』の時、業平橋で僕らの舞台後ろを通り過ぎていった東武伊勢崎線にも乗客は疎らでした。去年公演の帰りに川崎市市民ミュージアム前に僕らを迎えに来た市バスも、常に乗客は皆無。いつも人を満載にしているはずの乗り物がガランとしていると、妙な感慨にとらわれます。
『トトロ』の牧歌性を憎む僕ですが、猫バス(ビジュアルはやはり嫌いですが)の空っぽさは、賛美してやみません。
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# by nakanoatsushi | 2008-06-11 10:12

日暮里に行く

昨日は人と会う用事で、久しぶりに日暮里に行ってきました。本当に久しぶり。思えばこの坂の多い街にくるのは、大学一年生の時先輩に連れられて、当時作っていた舞台に必要な大量の布を買いに来て以来です。日暮里に布の問屋さんがたくさんあることも、そのとき知りました。
今日の収穫は二つ。一つには駅の構内で売っていた駄菓子の中に、まん丸のカルメ焼きを見つけたこと。それから突然に、今度の劇で使う衣装について閃くところがあったこと。特に後者。布の街の恩恵でしょうか。
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# by nakanoatsushi | 2008-06-10 08:33