<   2008年 09月 ( 10 )   > この月の画像一覧

9月29日

不意打ちのような寒さに、世間が長袖に切り替わってしまった。
それに連動して劇団メンバーの関心はもっぱら、この寒さが一過性のものなのか、このまま居座ってしまうものなのかということに集まっている。
寒いとテント番がキツいな、という声がチラホラ。

テント公演なんかしていると、劇団員のうち何人かが当番となって番をする習慣が生まれる。
そこには、公演設備一式の盗難を防ぐという意味と、夜中のうちに資材が風に飛ばされて周囲に迷惑をかけたら大変だ、という思いが込められている。
劇団の他のメンバーは敬遠しがちなテント番だが、私はこれが嫌いではない。

数年前行われた11月の公演では、舞台装置にと作り込んだ主人公の部屋があって、ここをねぐらに約一週間を過ごしたものだ。
これは実に快適な空間だったね。間取りにして二畳分、天井高約1メートルの小部屋はなんだか妙に落ち着くし、小さな暖房がとてもよく効くのだ。外は寒かったけれど中は暖かで、ちゃんと換気口を作ったりして、あれは我ながら愛らしい暮らし向きだったと思う。

テント番は、公演場所が街中であればあるほど楽しい。
24時間つきあってみると、これまで知ることの無かった時間帯、街が新たな顔を覗かせたりする。夜明け前の刹那、それは奇妙に厳かであったり、牧歌的であったり...。

ここで寝起きしている、俺だけが知っている風景!!
[PR]
by nakanoatsushi | 2008-09-29 20:57

9月26日

昨日みなとみらいは、ちょっと信じられないくらいの強風だった。
何しろまともに歩けないのである。自分を含め、人々はズズズと身体をスライドさせながら歩いている。停めてあるだけの自転車が自然と将棋倒しにされたりしている。あの自転車は殆ど骨組みなのに、わずかにギアを覆ったアルミの板をまんまと狙われ、ことごとくなぎ倒されて。
私の持っていたチラシも2枚飛ばされ、複雑な線を描いて宙を舞っている。

現在の青テントを購入した時、初めて公演場所に選んだのが、このみなとみらいだった。特にリハーサルの日に吹いていた風は、確かこれくらい強かったと記憶している。全くひどいめにあったものだが、昨日のようなことがあるとふと懐かしくなり、何故かあれも悪くなかったと思い出す。

そろそろ川崎市市民ミュージアムに脚を運んで、いくつか現場でのプランを練らなければならない。
[PR]
by nakanoatsushi | 2008-09-27 06:29

9月25日

私は酒が飲めない。
演劇人ということで、あるいは唐十郎門下ということで、私は昼間にもかかわらず、出会いしなに缶ビールを差し出されるという経験をしたことがある。
挨拶もそこそに、“当然イケるクチなんだろう”というわけだ。

何度か訪れた韓国では、到着してからの3日間はいつも酒に潰された。
年上から勧められた盃を断ることはできない。酒席こそ至上のコミュニケーションの場である。これが韓国の風土のようだ。
もっともその3日ですっかり弱点を露呈させてしまい、すっかり呆れ顔になった彼らは、それ以降酒を勧めるのをやめてしまう。
中国は、さらにすごいらしいとも聞く。実に恐ろしいことだ。

何も被害記録を書き連ねたいわけではない。
私は悔しく、また羨ましいのだ。
他人へのプレゼントを買うために、私はしばしば酒屋を訪れる。あの色とりどりの瓶と、際限ないラベルの数々を眺めることは実に愉しい。そしてまた、これらの違いを本当には楽しむことのできない自分の体が、実に恨めしい。

30を過ぎ、体質が変わることのある人がいるという。
目下私を支える希望はこれである。
大病するケースもあるらしいが、一方で突如としてアルコールに目覚める人もいると聞く。
どうにか後者が、未来の自分に訪れないものだろうか。
[PR]
by nakanoatsushi | 2008-09-26 01:15

9月24日

山形公演を終えて約10日が経った。
その間、劇団の作業は事後処理から、なだらかに来月以降の公演へ向けたものへと変化していっている。先週の小休止を経て、現在では山形公演前の、あの過酷な作業ペースを回復している。

目下宣伝活動に奔走する中、今日は夕方から恒例の野毛バーをあけた。
お客さんの中には、今日のこの絵に描いたような秋晴れに誘われ、現在行われている横浜トリエンナーレの全会場を踏破したという人がいた。「どこもかしこもプロジェクターとスクリーンばかり」と映像に終始した今回を残念がり、造形物の少なさをこぼす彼。

私はというと、関わりのあった2001年の第1回ですら会場に脚を運ぶのは閉幕ギリギリという始末だから、今回も「必ず行くぞ」とは思ってはいるが、また忙しさにかまけて駆けつけるのが終盤になってしまうだろう。
気分が乗り次第ふらりと来て場踊りを行うという田中泯、なんとかこれに遭遇することは出来ないものだろうか?
[PR]
by nakanoatsushi | 2008-09-25 00:16

ネオテニー

昨日、“ネオテニー”という言葉を知った。
漢字で“幼形成熟”とあてられている。

一般に繁殖は、それぞれの個体が成体になってから行われるものだが、世の中には成体以前で繁殖をしてしまう蝶がいるらしい。これが蝶の場合、つまり芋虫の状態でさっさと子孫を作ってしまうのだ。その後彼らは、いわば趣味できらびやかな蝶となる。他にも、メキシコサンショウウオなどがこれの実践者にあたるらしい。
植物にせよ、動物にせよ。ビジュアルな美しさもまた、繁殖のためのひとつの道具とされてきた。とすればさっさとセックスを済ませてしまった後、ようやく役にも立たない羽を広げるこの蝶こそは、真の洒落者といえよう。

明日は今後の公演日程に向けて打ち合わせるので、今日中に変更点を洗い出しておかなければならない。
[PR]
by nakanoatsushi | 2008-09-19 08:36

行商人に会う

山形公演の片付けを終えた後、昨晩は久方ぶりに野毛のバーを開いた。
この場所で出会った何名かが、今回の公演を支えている。彼らはあっという間に、それこそ驚くべきスピードで、唐ゼミの膨大な作業量や、古風な劇団のあり方に順応していった。
考えてみれば、まだ出会って半年も経たないメンバーが半分くらいいるんだよなあ。
今後関東圏での公演が続くので、それが気に入ることがあれば、どうかこのバーを尋ねて欲しいと思う。何しろ来年には、現在の4倍の人数で公演に臨む必要がある。私たちの演劇にぜひ加わって欲しい。

ところでバーにいると、稀に流しの押し売りが押しかけることがある。まさに行商人。昨日で彼と遭遇するのは2回目。まだ25歳だという青年は、たどたどしい口調で、次から次へといかがわしい玩具を紹介していく。
それにしても吹っかける。
彼が「本来2,500円なんですけど...」と口にするオモチャの剣のチープさにあきれる一方で、飛び込みで呑み屋を渡り歩く彼のハートの強さに感心する。後ろでニコニコしながら荷物を持っているだけの女性も、なかなかいい味を出している。
結局、この店で商品を買うことはなかったけれど、近所の有名な中華料理屋を紹介してあげた。その店に行けば、ベロベロに酔っ払った客たちが軒先で騒いでいる。彼に戦果のあることを願う。

その後、夜中に帰ってきて中々寝付けず、短編小説を何本が読んだ。日常を回復しつつある一方、6時前に起きてしまう習慣は克服できそうにない。
[PR]
by nakanoatsushi | 2008-09-18 08:51

横浜に戻ってきました

初めての東北公演を終えて帰ってきました。
今回は『ガラスの少尉』全体の初日を迎えるということで、米沢の隣り川西町での滞在を少し長くとりました。
信号の無い町。自動車を運転する際、ハイビームを基本とする町。そして「街」ではなく「町」。
戦火にあうことが全くなかったという町並みは古く、路地も狭く、駅から500メートルも離れると始まる田園風景は、“古代”を感じさせるものがありました。

これで芝居は一つ完成を見たわけですが、今日から始まる片づけを数日間で終えた後、また来月に向けて作戦を立てねばなりません。というよりも、東北自動車道を上りながら、すでにプランが蠢いています。

今日も劇団集合。まずはレンタカーに約10日間借りていたトラックを返します。
[PR]
by nakanoatsushi | 2008-09-17 08:32

川西町にテントが建ちました!

昨日から始まった劇場設営作業。
現在舞台部分も作り終え、徐々に照明や音響機器の設置作業にシフトしています。
寒暖の激しい置賜(おきたま、山形県南部をこう呼ぶそうです)。カラッとした気候ですが、昼暑く、夜はかなり肌寒い。
これが稲の成長に良いらしく、月曜に訪れた時にまだ緑だった穂が、みるみるうちに黄金色に染まっていきます。夕方になると何百というカラスの群れが、頭上を横切っていきます。
周りは田んぼだらけ。とにかく視界が広い。そして天が高い。

明日より二日間、これから最後の仕上げに入っていきます。
[PR]
by nakanoatsushi | 2008-09-10 16:28

山形に出発する朝

今日から山形に行きます。
今週末土曜日曜の本番で、『ガラスの少尉』全体の初日を迎え、帰ってくるのが来週の火曜日。米沢市の隣にある川西町というところでの公演ですが、田んぼのど真ん中での青テント設営となります。

暑さと豪雨を潜り抜け、やっと辿り着くことができたという感慨です。
[PR]
by nakanoatsushi | 2008-09-08 06:55

暑さが戻ってきた。

一週間続いた豪雨と雷が去り、夏が戻ってきました。
現在、山形に移動する前の最後の調整に入っています。

それにしても朝早く起きてしまう。
本当はもう少し寝ていられるといいのだけれど、身体が勝手に6時には起きてしまうから困ったものだ。
さあこれから、10日ほど関東を離れる分の仕事もしておかねば。
[PR]
by nakanoatsushi | 2008-09-03 12:34