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怪我の功名記9

昨日より『ギヤマンのオルゴール』を抜け、『ガラスの少尉』のオリジナルパートに入っています
どういうことかというと、『ギヤマンのオルゴール』というラジオドラマに、基本的には後半を書き加えたのが『ガラスの少尉』なんですね。
「基本的には」と言ったのは、もちろん前半部分だって舞台用に改定されているわけですが、例えば独白や場面転換の多さなどがラジオドラマとしての性質を如実に残している。といううよりもテープを聞くと、ベースとして前半はだいたい一緒。書き加えられた後半は演劇らしく、非常に賑やかになってくるので、これは稽古をしていてもウキウキしてくるわけです。
多義性ですね。多くの人や物が舞台の上を横切り、いってみれば宴会のような状態に突入していく。

これを愉しんで最後まで作り上げたらまた前半に還ろうというのが、今回の稽古の進め方です。後半は台本が導いてくれる。前半は演出が導かなくてはならない。
あとは幾つかのスペクタクルがあって、これはテントをたてて稽古をするようになると、いよいよ陽の目をみるわけです。

怪我の具合ですが、あとは硬くなった患部が老廃物としてこそげ落ち、ムチムチした肌の到来を待つばかりです。
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by nakanoatsushi | 2008-07-29 09:00

怪我の功名記8

今日で怪我して9日目ですが、傷口完全に塞がってきています。

ところで先ほど、恐ろしい夢をみました。
見に行った舞台に出てきた俳優さんの後頭部に、キノコがビッシリと生えている。しかもそのキノコの根本を、柘榴の実のようなビーズ状のものが埋め尽くしている。

ここに書いておかないで忘れてしまうことはなんだかもったいない気がして、記述しました。
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by nakanoatsushi | 2008-07-28 07:11

怪我の功名記7

怪我した左手人差し指。
血液の届いていないパートがだんだん硬くなってきた。
切り離しまでもう少しだろうか。回復は順調である。

さて、今朝は忙しい。
これより家を飛び出して稽古場に向う。
夜中に編み出したアイディアを持って行くのだ。

ところで明日、10月の公演場所である川崎市市民ミュージアムに行きます。そこで行われている恒例のサンセットライブの1コマを借り、秋の公演の宣伝をしようというわけです。
時間は16:05から5分間。
これの準備もしています。
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by nakanoatsushi | 2008-07-26 08:35

怪我の功名記6

患部をグッと押してみると、かすかに痛みが走る。
まだ切り離し時ではない。

昨日は幾つかの会談をもった。
不思議な人たちとの出会い。
東洋医学の先生や、これから医者にならんとするフランス人のインターン。
それに以前から私の活動を見守ってくれていたという今は立教大学の先生。

一方で稽古も進む。
ゴリゴリと未踏のシーンに分け入りつつも、既に過ぎ去ったシーンにアイディアを足して修正を重ねる。短い台本なので、緻密でありたいと思っている。物語前半の現在にあって、焦るなと自分に言い聞かせている。

そして昨日のクライマックス。
先述の会談を終えて作業場に戻ったところ、舞台装置の外形が出来上がっていた。僕のアイディアを十全に受け止めてくれる舞台装置。そしてまた、新たな演出プランの誕生を促すかのような舞台装置。
午前1時。僕の歓声が轟く。
もっとも皆は僕の到着の30分前にひとしきり盛り上がったらしく、極めて冷静だったが...。
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by nakanoatsushi | 2008-07-25 08:41

怪我の功名記5

回復した肉が、患部を押し上げている。
太い左手人差し指。使いづらい。
こうなってみる事で、普段何を左手でやり、右手でやっていたか気付く。
眼鏡を外すのは、不思議と利き手とは逆の左手。

昨日は
横浜→新宿→池袋→横浜→関内→野毛
という順に活動の場を変えていく。
移動中電車のなかでは、気になっていたメールのやり取りを一気に進める。
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by nakanoatsushi | 2008-07-24 08:49

怪我の功名記4

昨日の移動は少なくて、家と関内のスタジオと大学の作業場で過ごす。
また新たなメンバーが加わりそう。
本気になって人を求めていると、誰かしら反応してくれるものだということ。逆に言えば、これまで既存のメンバーに胡坐をかいていたのだという怠惰を思い知らされる。
いずれにせよ新たな人々が、劇団に力を運ぶ。
一方で、男性が足りないのですよ。
世の男性、来たれ!

また、久々に唐さんに電話をして、稽古の進行状況をお伝えする。
話は『ガラスの少尉』から、唐さんが現在連載している読売新聞の連載小説に。

『朝顔男』最近ますます面白いんですよ。
浅草花やしきのお化け屋敷で働く青年の話。
ストーリーは二重になっていて、青年が知り合った男の借金を肩代わりしたために遍歴するという“表ストーリー”。
それと同時に"裏ストーリー”では、たまたま渡された朝顔一輪に魅入られてしまった青年が、朝顔の「左巻きの謎」を追う、という少し抽象的な課題が展開する。
面白いのは、借金返却のための個々のエピソードの愉快さもさることながら、そのさなか突如として日常の風景から「左巻き」が突出してくるところだ。
川面の渦、指紋、船のプロペラ...。
今後青年がどんな「左巻き」と出会うのか。気になって仕方がない。
同時にその興味は、今これを書いている私の生活圏内を蝕んでくる。
「どこに左巻きがあるかな」なんて、ついつい気になりながら毎日を生きるようにされてしまえばしめたものだ!
これぞ唐十郎の魔力。
小説の前に扁平な日常世界は歪み、立体化し始める。
小説と伴走しながら読者としての日常を生きることが、今回の連載の醍醐味である。

ところで、私は新聞をとっていないから、夕刊を求めるため毎日近所の販売店にせっせと通っているんですね。
初めは店の人から「新聞取ってくださいよ」と勧誘も受けましたが、今では彼らすっかりそれを諦めている。それどころか時には「今日はお金いいですよ」なんて言ってくれたりする。
この運動も、なかなかハマる。
「あ、今日も帰り寄らなきゃ」という習慣が心地よい。
帰宅次第すぐに新聞を短冊に切り取って、すでに溜まっている束の最後尾に加えるのも良い。

...。

何だか長くなってしまった。昨日のことはこれくらいにして、本日の課題に取り組みます。
あ、怪我の回復は順調。
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by nakanoatsushi | 2008-07-23 08:21

怪我の功名記3

ついに包帯が要らなくなった。
左手人差し指の患部を親指で押すと、ブニブニと気持ち良い。

さてここ二日間であった様々なことを整理してみよう。

20日
朝。電話で高名な怪優と話す。
最近読んだ台本にとてもいい科白があったという話で盛り上がる。
曰く“ただ目の前の敵を斬れ!”
彼より届けられたプレゼントにいたく感激し、目前の敵を斬ることのみに執着するべしと誓う。本当に科白を捕まえるのは、文学的素養などというものではない。その優れた嗅覚にも感動する。

12時。親しくしている市場のおじさんと話す。
今度の公演についてアドバイスを受けた後、無料で振舞われたスイカにむさぼりつく。

14時。野毛のバーに安部さんを迎える。
山形招聘委員の安部さんが上京。これを期にバーに招待し、打ち合わせと雑談に明け暮れる。黄金色の田んぼの真ん中に映える青テントを想像する。

17時。バーに舞台美術家の濃野さんを迎える。
話は高校演劇批評の辛さからこれまで濃野さんが時代を共にしてきた演劇人たちのこと、『下谷万年町物語』に及ぶ。ちょっとした勉強会のようなつもりで5時間話しに聞き入る。笑いが絶えない。ビールと焼酎とピーナッツのみの5時間。戸外ではみなとみらいの花火が行われていたようだ。
が、ここでは花火の炸裂音など、取るに足らない雑音に過ぎない。

21日
朝。所要で初めての人形町に向ったところ、たまたま見かけた「ジュサブロー館」に飛び入りする。
このあとの予定のために15分ほどの滞在だったが、辻村寿三郎さんご本人に声をかけてもらったので、自己紹介する。受付裏の小さなスペースで人形を作る辻村さん。
“君は演劇をやるの?”
“僕は昔「天井桟敷」にいたけど、寺山さんより唐さんが好きでね。”
手にするボンドの香りたなびく。
また改めて来ます。と誓いその場を辞した。

昼。日本橋公会堂で最近知り合いになった人の踊りの発表会を見たあと、水天宮駅へ。
2000年の6月に観た「第七病棟」の公演の帰り道。
雨よけに渡されたビニールを頭上に、この改札に滑り込んだっけ。

14時。渋谷に移動。
レンタルビデオ店で、CDを返却し、新たなものを物色して借り出す。

東横線に乗り込むと、たまたま同じ車両に宮本亜門さんがいた。
来年の横浜開港祭のセレモニー、そのディレクターが彼だ。

15時50分。
関内。稽古場近くの映画館で『カメレオン』という映画を観はじめる。

17時半に稽古場着。
ちょっとずつ立ち稽古をはじめると、登場人物の絡まりが鮮明になり始める。
声を張り上げず、導入はニュートラルに。私の課題と闘う。
唄を一曲、演出で入れるためそのタイミングを計る。

21時、大学に移動。作業開始する。

その後1時に帰宅。
今朝に至る。

ここまで書いた。
おかげさまで、非常にすっきりしました。
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by nakanoatsushi | 2008-07-22 09:09

怪我の功名記2

現在、包帯を外し、怪我した左手人差し指の先はむき出しである。
痛みは無い。
血は紫色に固まり、傷口に沿って線をなしている。
ここ一帯では、肉の寄り分けが行われている。
あるところからからこっちは「自分側」として血液が送られ、再生の急先鋒となっている。そこから先は、もう自分ではない。酸素の供給も止まった「ただの肉」として硬くなり、縮み、徐々に死を迎える。これから切り離されていく準備がなされている。
こちら側に踏みとどまってくれた細胞を歓迎したい。そしてまた、彼らは再生への切り込み隊長でもある。心強い限り。
どんどん回復し、やがて現われるだろう立派な人差し指!!

これで何をさしてやろうか。
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by nakanoatsushi | 2008-07-21 03:21

「怪我の功名記」始まる

昨日左手の人さし指を切ったことをここに書いた。
傷口が深いため、血が大量に出たことも。
しかし今朝起きてみたら、すでに傷口は塞がり始めている。
身体の一部の再生を見守る事は実に愉快だ。
よって今日から「怪我の功名記」
一日に一度患部に押し当てているガーゼの取替えの時の回復量を、つぶさに観察してみたいと思う。

ちなみに、稽古は今日も快調。
あと、男性キャストが足りないので募集しています。
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by nakanoatsushi | 2008-07-19 02:43

7月17日

珍しく読み合わせを長く行っている。
いつもいきなり立ち稽古からスタートするが、修正かけながら台本を読んでいるのが面白いために今週は読み合わせに徹することにした。
久しぶりの公演であるために集中力が高まっているせいか、一日のうちで台本のことを想う時間が長い。これがさらに伸びていって、夢の中でも新たなアイディアを閃くことがあれば、その公演は上手くいく。
相性の悪い台本の時はなかなか埋没することが出来ないが、今回はすんなりだ。
一方であまり近視眼的になってもいけないから、『ガラスの少尉』に演目を決めるに至った経緯についてよく思いをめぐらすようにしている。そのとき抱いた野心を、日常や疲労に流されて忘れてはならない。

ところで今日怪我をした。
作業をしていて指を切ったのだ。
血を吸い出してはペッペッと吐くことで奇妙にヒロイックな気分になる。そして現在に至るまで、劇団員のアドバイスを受けて心臓より高い位置に患部を置いている。
帰りがけに寄ったスーパーでも愚直にこれをキープしていたところ、警備員、レジのおばさん、買い物客など、すれ違う全ての人々が失笑している。
そうだよな。スーパー入り口のガラスに映った自分の姿、まるでゴールを決めたあと人差し指立てて喜んでいるサッカー選手のようじゃないか。
どうみてもお調子者。パソコンも打ちにくい。
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by nakanoatsushi | 2008-07-18 00:58