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怪我の功名記4

昨日の移動は少なくて、家と関内のスタジオと大学の作業場で過ごす。
また新たなメンバーが加わりそう。
本気になって人を求めていると、誰かしら反応してくれるものだということ。逆に言えば、これまで既存のメンバーに胡坐をかいていたのだという怠惰を思い知らされる。
いずれにせよ新たな人々が、劇団に力を運ぶ。
一方で、男性が足りないのですよ。
世の男性、来たれ!

また、久々に唐さんに電話をして、稽古の進行状況をお伝えする。
話は『ガラスの少尉』から、唐さんが現在連載している読売新聞の連載小説に。

『朝顔男』最近ますます面白いんですよ。
浅草花やしきのお化け屋敷で働く青年の話。
ストーリーは二重になっていて、青年が知り合った男の借金を肩代わりしたために遍歴するという“表ストーリー”。
それと同時に"裏ストーリー”では、たまたま渡された朝顔一輪に魅入られてしまった青年が、朝顔の「左巻きの謎」を追う、という少し抽象的な課題が展開する。
面白いのは、借金返却のための個々のエピソードの愉快さもさることながら、そのさなか突如として日常の風景から「左巻き」が突出してくるところだ。
川面の渦、指紋、船のプロペラ...。
今後青年がどんな「左巻き」と出会うのか。気になって仕方がない。
同時にその興味は、今これを書いている私の生活圏内を蝕んでくる。
「どこに左巻きがあるかな」なんて、ついつい気になりながら毎日を生きるようにされてしまえばしめたものだ!
これぞ唐十郎の魔力。
小説の前に扁平な日常世界は歪み、立体化し始める。
小説と伴走しながら読者としての日常を生きることが、今回の連載の醍醐味である。

ところで、私は新聞をとっていないから、夕刊を求めるため毎日近所の販売店にせっせと通っているんですね。
初めは店の人から「新聞取ってくださいよ」と勧誘も受けましたが、今では彼らすっかりそれを諦めている。それどころか時には「今日はお金いいですよ」なんて言ってくれたりする。
この運動も、なかなかハマる。
「あ、今日も帰り寄らなきゃ」という習慣が心地よい。
帰宅次第すぐに新聞を短冊に切り取って、すでに溜まっている束の最後尾に加えるのも良い。

...。

何だか長くなってしまった。昨日のことはこれくらいにして、本日の課題に取り組みます。
あ、怪我の回復は順調。
by nakanoatsushi | 2008-07-23 08:21
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